「僕のウンチは触れんと?」。 か細く震える涙声の息子の目から大粒の涙がこぼれた。 瞬時に自分の過ちに気付いた。
弟の誕生後、毎日続くオムツ洗いの様子を不思議そうにのぞき込んでは
「ウンチ汚くない?」「嫌じゃない?」と尋ねる息子。 なのにある日、忙しさの中で心をなくしていたのか、遊びに夢中になり、ゆるいウンチを 漏らした息子に「もうこのパンツは捨てとくよ」と、冷たく言い放ってしまったのだ。 たった一言で、純粋な心を深く傷つけてしまったのである。救いだったのは、息子がそのショックをすぐに 言葉に出し、失言を気付かせてくれたことだ。
悲しみに打ちひしがれている息子を強く抱き締め、何度もわびた。その場ですぐに、素手で
汚れた下着を洗ってみせると、お宝ウンチとともに、涙も洗い流されたのか、息子は笑顔を取り戻した。 (主婦・35歳=福岡市南区) |