≪母として≫

6.もうひとつの環境のこと

不妊治療のための社会的環境が整っていない事は、先に述べさせて頂きましたが、 ここでは、本当の意味での環境について述べさせて頂きたいと思います。

今や健康な20代の男性で、子孫を残せる正常な精子を持つ人の割合は、34人に 1人、というデータもあります。原因不明の子宮内膜症も年々増えています。

私たちの体には、一人あたり年間4sの食品添加物と5sの農薬が入っているそうです。 ベトナム戦争の枯葉作戦時並みとも言われている、ダイオキシン汚染に代表される様々な 環境ホルモンの影響。これらのことと、不妊に悩むカップルが10組に1組とも、7組に1組とも言われている事とは 無関係でしょうか?

私たちはそうまでして、色のきれいなハムや、真っ直ぐなキュウリを食べたいでしょうか? 私たちは目先の便利・快適を追及するあまり、本当に大切なことを見失ってしまってはいないでしょうか?

悲しいことや辛いことがあった時、疲れた時、私たちを癒してくれるのは大自然 ではないでしょうか?
優しい波の音、美しい星空、新緑のきらめき、山のおおらかさ、湿った土の香り・・・ 自然はいつも変わらぬ優しさで私たちを大きく包んでくれます。

でも、私たちは今その自然を危機的な状況に追い込んでしまっています。 私たちは自然の大いなる営みの中でしか生きられないのに、 その自然に対してあまりにも傲慢になっていないでしょうか?

「ハイウェイの先に子供たちがいます。あなたはアクセルを踏み続けますか?」

ブラジル地球サミット モーリス・ストロング事務局長